K−20 怪人二十面相・伝 第一部

水野重康


「怪人二十面相・伝」は「K−20」となって今年の12月に封切られます。
この作品は元々が「20年前」の作品でありまして、「二十面相」に引っ掛けて映画化される事になりました。
私は20年前にこの作品を読み、そのままになっておりました、
今回の上映にこの「本」が「再販化」されている様なので、興味の有る御方は読んでみるのも良いと思います(但し、大した内容ではない)。


この「原作」を映画「三丁目の夕日」のスタッフが映画化しました。
多分、結果的に「原作」とは飛び離れてしまうのも分かっておりますので、敢えて「原作」の方でそれも「ストーリー」を書かせていただきます。


まず、物語は「サーカス」から始まる。そして「第一章」が「サーカスの怪人」・・・。
「ゲゲゲのゲ」やりますね。
「サーカスの怪人」から入って来ましたか。
「少年探偵団シリーズ」の「サーカスの怪人」は「二十面相誕生」の秘話が書かれているのです。


そして、物語はここからいきなりに入って来たのです。
主人公は「平吉」。
「平吉」は母「サキ」(第二部で驚くべき形で出て来る)に連れられて見に来た「サーカス」の魅力に取り付かれてしまう。
しかし、その「平吉」に母「サキ」の失踪・行方不明と言う悲劇が降りかかって来る。
「平吉」は「サーカス」の人に拾われて、その団員として暮らす事になった。
「平吉」は「運命の出会い」をすることになる。
そこには、将来、「二十面相」となって世を騒がす事になる「丈吉」と言う名の天才的な体術の持ち主がいたのである。
「丈吉」を「センセ」と呼んで心酔する「平吉」は師匠「丈吉」から色々な事を学び「一生付いて行く」決心をする。
時は昭和初頭。
「丈吉」はある日忽然と「サーカス」から姿を消し、「帝都」に於いて「稀代の大怪盗・二十面相」としてその猛威を振るいだした。

この「二十面相」に敢然と立ち向かうのは、「名探偵・明智小五郎」とその助手である「少年探偵・小林芳男」であった。
「サーカス」にいた「平吉」は密かに「二十面相こそは丈吉センセだ・・」と確信し、師匠「丈吉」に会うために「帝都」に向かう事になる。
しかし、それとは入れ違う様に、ある時を境に「二十面相」はその消息を絶った。
「二十面相は死んだのだ」と言う噂が「帝都」を駆け抜けた。
それは、犯行現場から「熱気球」で脱出しょうとした「二十面相」を襲った「熱気球」の爆発事故のその日からであった。
その時、「二十面相・丈吉」は「再起不能」と思える状況下にあり「人事不肖」の状態だったのだ。

時は流れ、上京した「平吉」は「明智」と「小林少年」に会う事が出来た。
しかし、その時、不世出の「名探偵・明智小五郎」は「癌」と言う病魔にその体を蝕まれ、余命幾ばくも無い状態であった。
「平吉」と二人になった「小林少年」は言う。
「先生はもう永くはない」
「ぼくが先生の名を継ぎ、明智小五郎になる」
「君とはその内、戦う事になりそうだね」。
「二十面相はにくい」
そう言う「小林少年」の体は、あの「熱気球」の事故のとき以来、半身が「ケロイド」状になっていた。

「平吉」は心に決めていた。
「オレがセンセの意志を継いで二十面相になる」。

終戦間もなくの頃の話であった。

第二部に続く。


2008年10月

(※本文中の敬称は略させていただきました)

著者紹介水野重康
49年、静岡県掛川市で100年以上続く医者の家に生まれる。
54年、『ゴジラ』を観て以後、映画にのめり込み、SFを中心として5000本近くの映画を観る事になる。
趣味を通じて、五味康祐氏、田山力哉氏、その他に師事する。
83年、生地に歯科医院を開業して現在に至る。

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