「鉄人28号」と

「フランケンシュタイン」

作者側のカン違い的なミス

水野重康


「光文社」の「復刻版・鉄人28号・Vol・2」の巻頭部分(だと思います)の項目にある「ハリウッド映画フランケンシュタイン云々・・」と言う下りですが、この部分は、この本の作者である「横山光輝」がチョイとカン違いをしている箇所でして、「ボリス・カーロフ」の主演作品と「フランケンシュタイン」シリーズをごちゃまぜにして述べている箇所でもあるのです。

「怪物を使って陪審員を次から次へと殺害して行く・・」の下りは「フランケンシュタイン」とは全く関係の無い映画でして、この内容を持つ映画は「死後の復讐」と言う題名です。
「死人再生」を研究していた狂科学者が捕まり、死刑宣告の後、処刑されますが助手の助けで生き返り、判事や陪審員を一人ずつ惨殺して行く物語ですが「怪物」は出てきません。
ただ、狂科学者に扮したのが「ボリス・カーロフ」なので、「怪物」と言われれば「怪物」に見えるとは思うのですよ・・。

とにかく、「フランケンシュタイン」とは全く関係の無い物語でして、主役の「ボリス・カーロフ」や「フランケンシュタイン」の話がゴチャゴチャになってしまいまして「横山光輝」もついつい間違えてしまったのではないでしょうか?

後の「ハマーフィルム」に「フランケンシュタインの復讐」と言うのがありますが、「一人一人」殺していくと言う点では似ているものの、「陪審員」を惨殺して行く話ではありませんので、チョイと違うかなあ・・と言う気がします。

しかし、「鉄人28号」のイメージの原点が「フランケンシュタイン」である事は紛れも無い事実ですし、「27号」の首の下に突き出している2本の突起は「フランケンシュタイン」の有名な「2本のボルト」のイメージですね。
その様な訳でありまして、「鉄人28号」が「フランケンシュタイン」の変化体の様な立場なのは作者「横山光輝」自身も言っているとうりなのですが、それでは、その作品は何か・・と言えばこれは、第3作の「フランケンシュタイン復活」である事はまず間違いありません。
「怪人イゴール」に笛で操られると言うあたりはよく似てますね。

余談になりますが、俳優の「江守徹」が「オレが最初に見た映画はフランケンシュタインだ!!」と言っている作品は、これも同上の「フランケンシュタイン復活」のことです。
本当は、以上の事柄は書かない方が良いのかもしれませんが、私は子供の頃、得た知識の幾分かは「漫画」から得ていました。

従いまして、この様なチョイとしたことでも正しい知識として書いていただくと言う事を作者側(横山光輝及び光文社)に配慮していただきたかった・・と言う事だけなのです。


2003年5月

(※本文中の敬称は略させていただきました)

著者紹介水野重康
49年、静岡県掛川市で100年以上続く医者の家に生まれる。
54年、『ゴジラ』を観て以後、映画にのめり込み、SFを中心として5000本近くの映画を観る事になる。
趣味を通じて、五味康祐氏、田山力哉氏、その他に師事する。
83年、生地に歯科医院を開業して現在に至る。

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