世界遺産と人情
岡崎大五氏の『添乗員』シリーズの第四弾。ハドリアヌスの長城、アンコール・ワット、パルミラなど世界遺産を訪れる旅をテーマとしている。 本書で描かれているのは「人情」。ツアーの参加者同士が旅を続ける中で仲良くなっていく。もちろん、そこには喧嘩やもめごともあり、そうした対立を経て友情が生まれていくのである。 4冊目ということもあり、筆さばきがかなり巧みになっている。人情と世界遺産を存分に楽しんで欲しい。
世界遺産旅がらす
文字通り世界遺産を旅するこの話、岡崎大五にしては珍しく世界の有名所オンパレードの一冊。マイナー好きの個人的意見で星マイナス1つ。が、いつもながらの添乗員「岡崎さん」のいい人ぶりとお調子者ぶりはしっかり出ていて、旅本プラス小説の面白さは充分アリ。さらに私のような世界遺産に疎いものには「そうなんだ!」もプラス。一応フィクションなんだろうけど、添乗員時代の話と放浪時代の話、本当に同一人物のこと? と疑いたくなります。ぜひ他の本もご一読を。
海外ツアー旅行が楽しくなります
岡崎大五さんの本は殆ど読ませていただいています。私自身、初めての海外旅行は10日間のヨーロッパで、添乗員さん付きのパックツアーでした。 その時の添乗員さんが一風変わっていて、旅と共に楽しいエピソードを残すことができました。それと、一緒に旅行をしているという共有しあうものがあるので、今まで見ず知らずのツアー客同士が仲良くなったりして、その後も添乗員さんやツアー客同士で年賀状などのやり取りをしていました。 その後、何回かは添乗員さん付きで海外旅行に行きましたが、パックツアーの魅力は、観光旅行という目的以外に、海外ということで少し羽目を外したところでの人間模様の面白さがあります。 岡崎大五さんの本はそのような海外での人間模様を如実に描写しているところが面白いところです。 読み物としておもしろおかしくするために、すべてが実話ではないと思いますが、添乗員さんが書かれる本がいろいろ出版されている中で、楽しく興味深く読める本だと思います。 それと、世界遺産にご興味ある方も添乗員さんがツアー客にお話されるように、都度ごとにわかりやすく書かれているので、読書と共にまるでツアー旅行したような気分にもなります。
パックツアーの舞台裏、旅のドラマを面白く書いています。
私自身は自由旅行専門ですが、パックツアーの舞台裏、旅のドラマを知ることができ、一気に読破してしまいました。物語的な要素ばかりではなく、歴史的なこともきちんと織り込まれているので、大変勉強になりました。イギリス編、北欧編、カンボジア編、中東編、マルタ・南イタリア編から構成されますが、特に、中東編の中で、ユダヤとイスラエルの建国、レバノン、シリアなど中東諸国の情勢をよく理解することができ、思わぬ収穫でした。
角川書店
添乗員狂騒曲 (角川文庫) 添乗員撃沈記 (角川文庫) 添乗員疾風録 (角川文庫) 添乗員騒動記 (角川文庫) 添乗員奮戦記 (角川文庫)
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