第四九章:プープ・アウト

2009年1月上旬





年が明けて以来、何故かインスリンの効きが悪くなり、みぬの血糖値がなかなか標準範囲(150mg/dL以下)まで下がらなくなってきた。感染症やその他の合併症で血糖値のコントロールが悪くなることはよくあるようなので、もし何らかの病気が疑われるなら病院に連れて行くベきか悩んだ。
しかし、体調が悪ければ食欲や飲水量が変化したり、嘔吐したりするはずだが、みぬは相変わらず食欲旺盛で、水も飲んでいないし、血糖値が高い以外にどこも悪くなさそうだ。
確かに寝ている時間が増えたような気もするが、それは恐らく冬だからであり、最近よく寝るのはフローラも同じだ。
もしかしてインスリンが効きすぎて逆にリバウンドを繰り返しているのかな?と思い、家にいる間はできるだけ頻繁に血糖値を測定してみたが、一日を通して血糖値が極端に下がっている様子もない。

いつもなら、一日血糖値が標準範囲まで下がらない日があって、もしかしたらインスリンを増量しなければならないかな…と思っていると、その翌日には寧ろ下がりすぎてしまうこともあるため、今度も一時的なものだと思ってずっと同じ用量で続けてみた。しかし、どうやら今回はそう簡単にはいかなそうだ。


Dr. ホジキンスの猫糖尿病フォーラムにみぬの血糖値データを掲載すると、長期メンバーのLさんが以下のアドバイスをくれた。

もしかしたら、新しいインスリンのバイアルを試してみた方がいいかもしれません。今使っているバイアルはそのまま冷蔵庫の中に保存しておいて構いません。私の経験上、IDEXXのインスリンの場合、インスリンがPoop outし始めたとき、冷蔵庫の中にしばらくそっと置いておくと、効果が戻るみたいです。他のインスリンではあり得ないけど、これがIDEXXインスリンのいいところですよ。いくらPoop outしたからといって、残っているインスリンを捨てたら勿体無いですものね。


Lさんはカナダ在住で、彼女の愛猫パーカーちゃんはみぬよりもずっと前からDr. ホジキンスのプロトコルで治療を続けている。血糖値の上下パターンもみぬとよく似ているようだ。それだけにLさんは、血糖値コントロールの難しい子の治療、及びその飼い主のこともよく理解してくれる。

ところで、猫糖尿病フォーラムでよく使われるこの「Poop out」という言葉だが、私は最初この言葉を知ったとき、変なものを想像してしまった。
実は、「Poop」には色々な意味があるようで、英和辞典で引くと以下のような結果が得られる。

1.[名] 1 船尾楼. 2 =poop deck. ━━[動](他)〈波が〉〈船の〉船尾に砕ける;〈船が〉〈波を〉船尾にかぶる.
2.[名]((the 〜))((米略式))最新情報;内情.
3.[名]((俗))まぬけ, ぐず. [nincompoop]
4.[動](他)((米略式))…を息切れさせる. poop out(1)((米略式))〈レースなどを〉投げる, やめる. (2)〈約束などを〉すっぽかす.
5.((米略式))[名][U]うんち, (特に)犬の糞(ふん);[C]((a 〜))うんちすること(((英))poo). ━━[動](自)うんちをする;〈犬が〉糞をたれる. [擬声語]


しかし、恥ずかしながら、私は最近までこの5番目の意味しか知らなかったのだ。
猫糖尿病フォーラムでは多くの人がこの「Poop out」という言葉を使っていて、文脈から判断するにインスリンが古くなったり扱いが悪かったりして効果が弱くなることを意味しているのはわかったが、それにしてもなんてお下品な表現だ… と思っていた。しかし、辞書を引いてみて自分が無知だったことがわかった。
インスリンの効果が弱まるときに使われるのは、紛れもなく上記の4番目の意味で、5番目の意味とは全く無関係だったのだ。


今まで使っていたPZIは、去年の10月に開けたばかりで、こんなに早く失効(Poop out)してしまうとは考えにくかったが、Lさんのアドバイスに従って1月6日の午後から新しいバイアルを開け、更にインスリン用量を今までより0.2単位増量してみた。インスリンが一度失効してしまったとしたら、Lさんが言うように活性が戻るなどということがあり得るのかは疑問だったが、古い方のバイアルは冷蔵庫の隅にそのまま保存しておいた。

すると、6日の夜中にはやっと標準値まで血糖値が下がり、翌日7日午後には下がりすぎの傾向まで見られた。とはいっても、Dr. ホジキンスのプロトコルでは、多少の下がりすぎは気にしなくてもいいことになっている。このプロトコルでは、最低値をできるだけ50〜70mg/dLの範囲まで下げることを目的としており、血糖値が下がりすぎてその後リバウンドしたら、更にそれをインスリンを注射して下げることで、血糖値をできる限り標準範囲内にコントロールすることになっている。たとえ血糖値が50mg/dL未満まで下がりすぎても、丈夫な肝臓さえあれば気にする必要がない…というのがこのタイトレギュレーションプロトコルの考え方だ。
しかし、私はまだどうしても古い方のバイアルがPoop outしてしまったとは信じたくなかったので、8日からまた古い方のバイアルに戻してみたところ、古い方のバイアルもきちんと効いていることがわかった。どうやら、Poop outしていたのはインスリンではなく、みぬの膵臓の方だったようで、一時的なインスリン増量が必要だったようだ。
せっかくここまで減ったインスリンの用量を増やすのは少し悔しかったが、でもだからといって必ずしもみぬの糖尿病自体が悪化したというわけではない。まだ生きているβ細胞が、一時的にインスリンを使い切ってしまっただけのことなので、またしばらく思い切って多目の用量で治療を続け、できるだけ血糖値を標準範囲に保ってあげれば、またβ細胞のインスリン放出能力も賦活するだろう。

因みにこのIDEXXのPZIは、去年製造中止されたが、まだ市場に在庫が出回っているそうで、在庫分はベーリンガー・インゲルハイム社がフランチャイズ販売することになったそうだ。
今のペースで使っていけば、去年買いだめしておいたIDEXXのPZIを恐らくあと7〜8ヶ月程度で使い切る予定だが、そのときまでにIDEXXのPZIが市場から姿を消していても、BCP社のPZIがあるので気楽に構えている。
猫に対しては既にブタ由来のVetsulinが承認されているが、これに加えて、今年はIDEXXのPZIに変わってPZIR(遺伝子組み換えインスリン)が承認される予定だ。でも、私は新しい製剤より、従来通り牛由来の製剤を使い続けたい。みぬの担当医も同じ考えでいてくれることを祈ることにしよう。


1月5日から1月11日まで一週間の血糖値曲線。緑色が正常範囲で、黄色が高血糖でも症状が出ないとされる範囲。青い四角はインスリンを注射したことを示す。ここのところ血糖値がなかなか正常値まで下がらない状態が続いていたので、1月6日にインスリンを増量。できるだけ注射の度に二桁台の数値を出したかったため、9日には更に若干増量。結果、正常値の持続時間も伸び、良好な状態に近づいた。


インスリン用量スライディングスケール

1月5日
血糖値(mg/dL) 投与量(IU)
135-150------ 0.60 強
151-170------ 0.80
171-200------ 0.80 強
201-250------ 1.00
251-350------ 1.00 強
351-500------ 1.20

1月6日〜1月8日(0.2単位ずつ増量)
135-150------ 0.80 強
151-170------ 1.00
171-200------ 1.00 強
201-250------ 1.20
251-350------ 1.20 強
351-500------ 1.40

1月9日〜(更に若干増量)
135-150-------1.00 強
151-170-------1.20
151-200-------1.20 強
201-350-------1.40
351-500-------1.40 強





東京 不動産投資東京 収益物件ディレクトリ登録お絵かき掲示板レンタル無料の携帯ホームページ無料ウィルス対策MSオフィス互換動画を無料で見放題転職相談無料レンタルメル友出会い無料ホームページ女の子クリック保証デイサービスデイサービス開業iPhone修理 恵比寿iPhone修理ホテル 予約韓国無料オンラインストレージ