第七九章:エネルギーワーク

2010年2月上旬






最近、「クンダリーニ・レイキ」に詳しいTさんというアイオワ在住の男性と、某オンラインフォーラムでメッセージをやり取りする機会があった。

ご存知の方も多いと思うが、「レイキ(霊気)」というのは、エネルギー(気)を利用したヒーリング法の一種で、1900年代初期に日本で臼井甕男氏によって創始されたものであり、それが海外に伝わった後、1900年代後期に日本に逆輸入されたわけだが、ヒーラーがヒーリーの体に手を当ててエネルギーを送ることが基本だ。
レイキの習得は、ファーストディグリー、セカンドディグリー、及びサードディグリーの三段階に分けて行われ、それぞれの段階で生徒は先生から「アチューンメント」というエネルギー伝授を受け、シンボル(記号)やマントラ(呪文)を習う。アチューンメントを受けた生徒が、シンボルを思い描きつつ、マントラを心の中で唱えながら、ヒーリーの体に手を置くとヒーリングができ、更には、ヒーリングは目の前にいない患者に対しても送ることが可能…と、これだけ書くと、かなり胡散臭く聞こえると思う。

しかし逆に、糖尿病を含め、病気の猫を持つ飼い主の中には、このようなエネルギーワークに頼りたくなる人も少なくないと思う。
かく言う私も、レイキのセカンドディグリーまで習得しており、みぬが私と暮らし始めたばかりの頃、頻繁に喘息発作が出ていたときには、よく利用していた。効果はあったのかなかったのか、当時は毎日のように咳き込んでいたみぬも、徐々に発作が出なくなり、今では殆ど咳き込むことはなくなった。
「薬剤師免許を持っている人がそんなもの信じるなんて…」と思われるかもしれないが、実際レイキを習いに来る人の中には、医師や看護師などの医療関係者も少なくない。詳細は後述するが、こういった医療関係者は、現代医学を学び、それによって治療される患者を診てきたからこそ、その不完全さを実感しているのかもしれない。
最近アメリカでは鍼灸も保険適応の対象になっているが、そもそも鍼灸も一種のエネルギーワークであり、ツボや経絡はエネルギーの流れる道なのだ。
このように、エネルギーワークは実際に医療の現場でも受け入れられつつあり、それなりの効果も得られているようだ。他にもエネルギーワークには、有名な気功や、私が以前に言及したプラニックヒーリング(第五九章参照)などがあるが、鍼灸や気功はエネルギーの流れを診断して、その滞りや過不足を是正していくもので、東洋医学の専門知識が必要なのに対し、プラニックヒーリングやレイキは短期のクラスを受講するだけで使えるようになる。

だが、実は私はここしばらくレイキから遠ざかっていた。もちろん、レイキの原理を利用して、みぬの病状が思わしくなく、苦しそうなときには、できるだけ体に手を当ててあげるように、入院中にはエネルギーを送ってあげるようにはしていたが、しかしどうしてもシンボルやマントラの使い方等、納得がいかない点が多かったのだ。
そんな時、ふとしたきっかけで「クンダリーニ・レイキ」を知ることになった。デンマーク在住のオレ・ガブリエルセン氏によって本来のレイキに改良が加えられたもので、シンボルやマントラも使用せず、至ってシンプル且つ合理的なものだ。ガブリエルセン氏は、自らのサイトで、米ドルにして約60ドル程度で遠隔アチューンメントを提供してはいるものの(それでも通常数百ドルかかる臼井式レイキアチューンメントに比べれば安価だが)、彼からアチューンメントを受けた人が他の人にアチューンメントを無料で伝授するのも自由だし、そもそもアチューンメントなどレイキの先生から受けなくても、自分でできるものだと公言している。

Tさんは、親切にも私にクンダリーニ・レイキのアチューンメント及びマニュアルを無料で送ってくれた。マニュアルに載っているヒーリング法は至って単純で、基本は数分間患者の肩に両手を置くだけだが、これなら猫にも簡単にヒーリングを送ることができそうだ。


(冷蔵庫の上のみぬと食器棚から覗くフローラ)



そこで、私自らのエネルギーワークに関する考え方、及び留意点を述べてみようと思う。

まず、私が手を当てることによる癒しの効果を最初に目の当たりにしたのは、高校生の頃、当時八歳だったセキセイインコのピーヨが最期の日を迎えた日のことだった。
ピーヨは、前日まで全く病気の兆候を見せなかったのだが、ある朝突然止まり木から落下し、ぐったりしてしまった。母はピーヨを籠から出し、手の中に抱いた。すると、母の手に抱かれて数分後、それまでぐったりしていたピーヨはバタバタと羽を動かし始めたのだ。
しかし、そうやって母の手を抜け出した後、しばらくするとまたピーヨはぐったりしてしまった。
こうやって、母の手に抱かれては息を吹き返し、そしてその後またぐったりし…、それを何度か繰り返した後、ピーヨは安らかに逝った。

もちろん私の母はレイキなど習ったことはなく、このように実はたとえレイキを習得していなくとも、患者に手を当てさえすれば、ヒーリング効果を発揮することができるのだ。
では、お金を出してレイキのアチューンメントを受け、シンボルやマントラを習う意義とは何なんだろう…という疑問が浮上すると思う。
アチューンメントとは、レイキの生徒のエネルギーを先生のエネルギーに同調させることを意味するが、実は私も本当にエネルギーの同調が起きているのかどうかは疑問だ。増してや、3回レイキのクラスを受講しただけで、先生の資格が取れるというのはあまりに安易過ぎる。しかし、確かにアチューンメントを受けると、体が震えたり、時にはその後一日頭痛がしたりすることもあるので、何かが起きているのは事実のようだ。
アチューンメントの効果に疑問を抱きつつも、私は多くの人間が感じることができない、若しくは感じることを忘れてしまったエネルギーの存在はあり得ると思う。実際、動物同士では人間のような言葉を用いない代わり、テレパシーを用いて意思の伝達を行っているわけだし、アニマルコミュニケーターと呼ばれる人たち(第五三章参照)もこの原理を用いて動物たちと会話をしているという。

シンボルやマントラについては、ガブリエルセン氏も必要ないとの見解を述べているが、恐らくヒーラーによって向き不向きがあるのだと思う。例えば、レイキのシンボルとして、「本者是正念」という漢字を基にしたものがあるが、日本語のわからない人がこのシンボルを苦労して覚え、意味もわからず「Honjazeshonen」と唱えたところで効果が実感できるか疑問だ。

ただ、臼井式レイキはレイキの基本であり、エネルギーワークの経験のない人が入門として習得するには理想的だと思うので、興味のある方は受講してみるといいと思う。エネルギーワークの経験のない人が、いきなりクンダリーニ・レイキなどの応用型レイキの遠隔アチューンメントを受けても、何も感じることができない可能性がある。
ただし、情報の信頼性にはくれぐれも注意し、怪しい宗教に没頭するようなことはないようにしていただきたい。


では、レイキを含むエネルギーワークが病気を治すことができるかどうかだが、実はエネルギーワーク自体が病気を治すわけではなく、病気を治すのは患者自体の自然治癒力だ。エネルギーワークとは、その自然治癒力を高めるための補助となるものなので、結果として病気が治ることはあるかもしれない。自然治癒力とは、大切な人の存在や成し遂げたい目標など、微妙なことに影響を受けるもので、現代医学の理屈では説明できないこともある。
これに対し、現代医学は対症療法で、検査をして悪いところが見つかれば、その悪いところのみを薬や手術で一時的に処置するわけだが、病気を根本から治すわけではない。風邪など一時的な病気なら治ってしまえばそれでいいのだが、もっと慢性的な病気になると、薬や手術でもぐら叩きのように症状を抑えても、一生その病気と付き合わなければならなかったり、またその症状だけはよくなっても体全体のバランスが崩れて他の症状が出たり、病気が長引くことも少なくない。そして、検査で異常がなければ治療の仕様がないため、「検査では何も見つからないのに、どことなく体調が悪い」というときには手の施しようがないのだ。

そこで、エネルギーワークは、こういった現代医学の弱点を補うために行われるわけだが、ただ重要なのは、必ず現代医学と併用することだと思う。最近も、「手かざし療法」を過信したばかりに、重病の子供を医者に診せず、死なせてしまった両親がいたようだが、エネルギーワークだけで魔法のように病気を治すことはできないのだ。
エネルギーワークは、あくまで患者のエネルギーのバランスを整え、自然治癒力を高める補助となる役目をするものであるため、病気の威力が治癒力を上回ってしまった状態では太刀打ちできない。この場合は、重い症状を医師に治療してもらった上で、同時にエネルギーワークによって患者の自然治癒力を高め、病気の治癒を目指し、再発を防ぐのが理想だ。
猫の糖尿病に関しては、まずケトアシドーシス等の緊急症状が起きているときには獣医師による集中ケアを受け、それが治まればインスリンを処方してもらうことは基本中の基本であり、決してエネルギーワークだけで血糖値を下げよう、増してやケトアシドーシスを治そうなどと、無謀なことを考えてはいけない。膵臓機能の回復を願ってエネルギー療法を行うなら、これらの医師による治療をきちんと行った上で行うべきだ。


(最近ミシンを買ったので、猫用スリングを作ってみた)



因みに、私がTさんからクンダリーニ・レイキの遠隔アチューンメントを受けたときには、「クンダリーニ昇華」や「第三の目の開眼」などを明確に感じることはなかったが、頭頂部に渦を巻くような気の流れを感じた。本当にこれだけでアチューンメントが完了したのか、未だにわからない。しかし、何と言っても、私もみぬとのスキンシップをもっと大切にしようと思えるようになったことが大きな収穫だったかもしれない。


1月18日から1月24日まで一週間の血糖値曲線。緑色が正常範囲で、黄色が高血糖でも症状が出ないとされる範囲。青い四角はインスリンを注射したことを示す。


1月25日から1月31日まで一週間の血糖値曲線。緑色が正常範囲で、黄色が高血糖でも症状が出ないとされる範囲。青い四角はインスリンを注射したことを示す。1月25日に久しぶりに400台が出てしまったが、恐らく仕事の都合でリバウンドのタイミングを逃してしまったことが原因と思われる。


2月1日から2月7日まで一週間の血糖値曲線。緑色が正常範囲で、黄色が高血糖でも症状が出ないとされる範囲。


インスリン用量スライディングスケール
1月17日〜
血糖値(mg/dL) 投与量(IU)
135-150-------1.20
151-170-------1.20 強
171-200-------1.40
201-250-------1.60
251-350-------1.60 強
351-500-------1.80







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