糖尿病用語集



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おまけ:アメリカの猫糖尿病フォーラム用語

あ行


暁現象
糖尿病患者で、明け方に血糖値が上昇する現象。早朝の高血糖の原因には、夜寝ている間に血糖値が下降するため明け方にソモギー効果によりリバウンドしているとする説や、明け方になると成長ホルモン等血糖値を上げるホルモンの分泌が盛んになるとする説があるが、暁現象は後者の場合を指す。

アクロメガリー(末端肥大症、先端巨大症)
腺下垂体の腫瘍等が原因で成長ホルモンが過剰に分泌されることによって起こる疾患。インスリン抵抗性が生じるため、結果として糖尿病を併発する。治療には多量のインスリン投与が必要となる場合が多い。症状は、顎や手足の肥大、体重増加など。この病気による内臓肥大を防ぐため、厳密な血糖値コントロールが必要となる。

アミロイド
糖尿病を発症させると考えられている繊維構造を持つ蛋白質。

アミロイドーシス
アミロイドが組織や器官に沈積して起こる病変。膵臓のアミロイドーシスが原因で糖尿病が起こると考えられており、また糖尿病は更に膵臓のアミロイドーシスを悪化させる。

1型糖尿病
糖尿病の新しい分類法で、膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌が著しく低下若しくは廃絶することによって起こる糖尿病。従来の「インスリン依存型糖尿病」とほぼ同義だが、インスリン依存型糖尿病がインスリン分泌が廃絶して一生インスリン注射が必要とされるのに対し、最近はそのような患者でも一時的にインスリンが分泌されインスリン注射が必要なくなることもあることから、1型糖尿病という名称が用いられるようになっている。

インスリン
膵臓のランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモン。51個のアミノ酸により構成される。グルコースを体内でエネルギーに変換させる役割を持つ。

インスリン依存型糖尿病(IDDM)
糖尿病の従来の分類法。膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンが分泌が著しく低下若しくは廃絶することによって、インスリン注射が必要となる状態。

インスリン抵抗性
体が何らかの原因でインスリンに反応できなくなった状態。肥満、高脂血症等が原因と考えられている。

インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)
糖尿病の従来の分類法。膵臓のランゲルハンス島β細胞からインスリンは分泌されているが、他の要因によってそのインスリンが効かなくなった状態。インスリン注射が不要なことも多い。

ウルトラレンテ
長時間作用型のインスリン。猫ではあまり使用されない。


か行

クッシング症候群
副腎皮質ホルモンの過剰によって起こる症状で、副腎皮質ホルモンは血糖値を上昇させる作用があるため、糖尿病の原因になる。猫より犬に発症しやすい。自然に発生する場合と、ステロイドホルモン剤の投薬によって起こる場合がある。症状は、多尿多飲、食欲亢進、脱毛、腹部膨満など。

グルカゴン
膵臓のα細胞から放出され、インスリンと逆の作用を持ち、血糖値を上昇させるホルモン。

グルコース曲線
インスリン投与直前から、投与後一定時間ごとに検査した血糖値、或いはその値をグラフにプロットしたもの。インスリン効果の強さ、ピーク時間、持続時間がわかる。

グルコース毒性
高血糖状態の持続による酸化や脱水により細胞がダメージを受け、インスリンが効かなくなった状態。

血糖値
血液中のグルコース濃度。日本やアメリカでは単位としてmg/dLが用いられるが、欧州ではよくmmol/Lが用いられる。健康な動物ではインスリンやグルカゴン等のホルモンによって正常値を保つよう調整されている。

ケトアシドーシス
ケトン体が体内に大量に蓄積し、体が酸性に傾いた状態。緊急で治療を行わないと命に関わる。

ケトン体
インスリン不足等でグルコースをエネルギー源として利用できなくなると、体は体脂肪を分解してエネルギーを産生させようとする。その際に発生するアセトン、アセト酢酸、βヒドロキシ酪酸等の物質をケトン体という。

ケトン尿
ケトン体が尿中に検出される状態。


さ行

膵炎
膵臓の炎症疾患。急性の場合と慢性の場合があり、糖尿病の一因となる。

ソモギー効果
血糖値が一度下がった後、急激に跳ね上がる現象。体が低血糖の危機を察知して、血糖値を上昇させるためにグルカゴンやその他のホルモンを放出させることによって起こる。


た行

タイトレギュレーション
通常糖尿病治療では、血糖値が多少高めでも臨床症状を改善させることを目標とするが、タイトレギュレーションではこれに加えて血糖値を正常範囲まで下げることを目標とする。

低血糖
インスリンの過剰投与等により、血糖値が下がりすぎた状態。軽症では異常な食欲、異常行動、元気消失等の症状を示すが、重症になると意識混濁、更には昏睡状態となり致命的となる。

デテミル
ヒト遺伝子組み換え型のインスリン。商品名はレベミル(Levemir)。皮下注射後、血中に入る前に一時的にアルブミンと錯体を形成し、血中にゆっくり吸収されるため作用が持続する。

糖尿病
インスリンの分泌不足、或いはインスリンが効かないなどの理由で、血糖値が高くなる病気。血液中に糖分が多くなると、尿にまで漏れ出てくることから、糖尿病と呼ばれる。


な行

2型糖尿病
糖尿病の新しい分類法で、膵臓のランゲルハンス島β細胞からはインスリンが正常に分泌されているが、他の要因でそのインスリンが効かなくなって起こる糖尿病。従来の「インスリン非依存型糖尿病」とほぼ同義だが、インスリン非依存型という呼称ではインスリンが全く不要というニュアンスであるのに対し、この状態の患者でも病状によっては不足しているインスリンを外から補う必要があることから、糖尿病をインスリンを補う必要があるかないかで分類するには語弊があるという考えが出てきている。


は行

ハネムーン期
1型糖尿病でインスリンの分泌が廃絶若しくは著しく低下していた患者において、一時的にインスリンが分泌されて血糖値が下がった状態。あくまで一時的な状態なのでまた数日後にはインスリン注射が必要になる。

皮下注射
注射針を用いて、注射液を皮膚の下に注入する方法。家庭でのインスリン注射はこの方法が一般的で、静脈や筋肉に直接注射するより薬物がゆっくり吸収される。

フルクトサミン値
血糖値が高い状態が続くと、グルコースが血清中の蛋白質と結合する。この蛋白質に結合したグルコースをフルクトサミンといい、この血中濃度を測定することで過去数週間の平均グルコース濃度を知ることができるため、血糖値が高いのが糖尿病によるものなのか、興奮して一時的に上昇しただけなのか区別することができる。

プレプロインスリン
膵臓のランゲルハンス島β細胞にて合成される110個のアミノ酸から成る蛋白質で、シグナルペプチド、A鎖、B鎖、Cペプチドにより構成される。まず酵素によりシグナルペプチドが切断されてプロインスリンとなり、更にCペプチドが切断されてインスリンとなる。

プロインスリン
インスリンの前駆体で、A鎖、B鎖、Cペプチドにより構成される。酵素によりCペプチドが切断されてインスリンとなる。


ら行

ランゲルハンス島
膵臓における細胞塊で、グルカゴンを分泌するα細胞、インスリンを分泌するβ細胞、ソマトスタチンを分泌するδ細胞および膵ポリペプチドを分泌するPP細胞の4種の細胞から成る。

ランタス
ヒト遺伝子組み換え型のインスリン。グラルジン(Glargin)ともいう。遺伝子組み換えによりpHが調整されており、皮下注射後にゆっくり吸収されるため、作用が長時間持続する。猫では離脱率の高いインスリンとして最近は第一選択とする獣医も増えている。

離脱
糖尿病が治癒し、自己のインスリンが分泌されるようになって注射によるインスリンが不要となること。


A

AMPS
AM Pre-shot(午前投与前)の略。一日二回インスリンを投与する際の、午前中の投与前の血糖値。

B

BG
Blood Glucose(血糖値)の略。

D

DM
Diabetes Mellitus(糖尿病)の略。

I

IDDM
Insulin Dependent Diabetes Mellitus(インスリン依存性糖尿病)の略。

N

Nadir
血糖値の最低値。

NIDDM
Non-Insulin Dependent Diabetes Mellitus(インスリン非依存性糖尿病)の略。

NPH
Neutral Protamine Hagedornの略で、中間作用型インスリン。1946年、デンマークのNovo Nordisk社において、Dr. Hagedornを中心とする研究グループにより開発され、初めてプロタミンを加えることによりインスリンの作用を持続させることに成功した。

P

PD
Polydipsia。多飲、つまり異常に喉が渇いて水を沢山飲むこと。糖尿病の典型的症状。

PMPS
PM Pre-shot(午後投与前)の略。一日二回インスリンを投与する際の、午後の投与前の血糖値。

PU
Polyuria。多尿。糖尿病の典型的症状。

PZI
Protamine Zinc Insulinの略で、塩化亜鉛及びプロタミンという蛋白質を加えることにより、吸収速度が遅くなるよう調整されたインスリン。インスリンの種類は、ヒト、牛、豚或いは牛と豚の混合などがある。


アメリカの猫糖尿病フォーラム用語

アメリカの猫糖尿病の掲示板に行くと、以下のような用語、略語を見かけます。正式な医学用語ではないので、別カテゴリーにまとめました。

Civilian、Civie
通常は一般市民の意味だが、猫糖尿病用語では、糖尿病を持たない健康な猫のこと。

ECID
Every cat is differentの略。猫によって糖尿病の病状、経過、治療への反応は個体差があるという意味。

Fat (shot)
「強」の意味で、注射器の目盛りより若干多目の用量のインスリンを注射すること。Fat 1U=1単位強。

Fur-shot
針がきちんと皮膚に刺さらず、被毛に注射してしまうこと。

Hypo
Hypoglycemia。低血糖。

Juice
インスリンのこと。「Give more juice(もっとジュースをあげましょう)」と言われたら、インスリンの用量を増やせという意味なので、間違ってもオレンジジュースをあげたりしないこと。

Mr. P
PはPancreas(膵臓)の頭文字。機能が復活し、自力で食事による血糖値上昇をコントロールできるようになった膵臓をこのように呼ぶ。

OTJ
Off the juiceの略。Juiceはインスリンのことで、OTJはインスリンが要らなくなる、つまり離脱する(糖尿病が治る)こと。

Poop out
(インスリン等の)効果が切れること。

Skinny (shot)
「弱」の意味で、注射器の目盛りより若干少な目の用量のインスリンを注射すること。Skinny 1U=1単位弱。

Sugar dance
血糖値の激しい上下のこと。クリスマスによく流れるチャイコフスキーの音楽のような可愛らしい名前ですが、現実は決して可愛らしいものではありません。

Sugar cat、Sugar kitty
糖尿病の猫。




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