ホリスティック獣医による糖尿病ケア





アメリカのホリスティック獣医による糖尿病のケア方法を紹介いたします。
注:これらの方法を採用する際には自己責任で行い、異常が認められた際にはすぐに獣医に相談してください。

Dr. リチャード・ピトケアン:生肉中心の食事、ホメオパシー
Dr. マーティン・ゴールドスタイン:膵臓のサプリメント、ハーブ、クロミウム
Dr. ロジャー・デハーン:食事、消化酵素、サプリメント
Dr. ジーン・ホッフェ:手作り食
Dr. シェリル・シュワルツ:ツボマッサージ、サプリメント

補足
Dr. ビル・ポラック:高蛋白食による腎臓への影響を懸念される方へ



Dr. リチャード・ピトケアン

"Dr. Pitcairn's Complete Guide to Natural Health for Dogs & Cats"より
元来肉食である猫は、多量の生肉を与え、穀類や野菜の与えすぎ(少量ならOK)を避けることで血糖値が正常化することがある。もし貴方の猫が糖尿病なら、肉を主に用いた食事に少量のボーンミールを加えたものを数週間与えるとかなり改善するかもしれない。その後は、本著で紹介している通常の自然食レシピを用いてもよいが、改善状態を維持するためには肉の量を多めにする。

ホメオパシー
注:詳細はホメオパスに相談してください。
Belladonna(ベラドンナ):初診時に一度与え、上記の食事療法を行う。1週間待って以下のレメディーを与える。
Thuya(ツヤ、テュヤ):Thuyaを与えた後1ヶ月経っても改善がなければ、以下の方法を試す。
Natrum muriaticum(食塩):食欲に問題があるとき、特に過食の傾向があり、体重減少が著しい場合。尿に糖が出て、不安や恐怖症の傾向があり、暑さに弱い場合。
Phosphorus(リン):痩せていて外交的な性格で、構ってもらうのが好きな場合。よく食べるが嘔吐しやすく、冷たい水を欲しがる。膵炎の履歴がある場合が多い。

ままのコメント
ホメオパシーに関しては、私も無知なため、敢えて用法用量は割愛いたしました。
私が最初に手作り食に目覚めたのは、ピトケアン先生の本を買って以来。でも、ピトケアン先生の基本レシピ(健康な猫用)にはオートミール、ポレンタ等の穀類が結構入っていて、これはあまり糖尿病の猫ちゃんには望ましくありません。もちろん、私も猫には生肉がベストという考えには賛成ですが、糖尿病になってしまった猫、若しくは既往歴のある猫には、炭水化物源を出来る限り使わないレシピをお勧めします。






Dr. マーティン・ゴールドスタイン

"The Nature of Animal Healings"より
ホリスティック獣医として、インスリン注射に加え、同時に膵臓の機能が他の関連臓器の機能とバランスが取れるようにし、インスリンを自分で産生できる状態にするよう試みる。基本的なプロトコールは、希釈した膵臓のホメオパシーレメディの注射、膵臓酵素(NESS)、「膵臓ドロップ」、生の膵臓分泌腺、及び中国の生薬地黄を用いる。ゴールデンシール及びクロミウム(グルコース耐性に役立つ)も用いる。猫には半カプセルのゴールデンシールを、50mgのクロミウムを投与する。食事は、50%の複合炭水化物(玄米、粟など)、25%の細かく切って加熱した野菜及び25%の蛋白質(卵、有機牛肉、魚、有機鶏など)を与える(まま注:これは犬の場合と思われます。猫の場合もっと肉が多くていいはず)。
この療法を飼い主が帰宅する際に指導するとともに、私は日常の尿検査の方法を指導する。たとえ糖尿病のペットがインスリンやサプリメントで元気そうに見えても、頻繁に検査をすることは重要である。なぜかというと、サプリメントの作用により膵臓がいきなり「作動」し始めてインスリンを産生し始め、血糖値が下がりすぎてしまう危険性があるからである。緊急事態に備えて、蜂蜜やコーンシロップを用意しておくべきである。いずれもペットが痙攣し始めたり、癲癇発作の兆候を示し始めたときに、口から与える。

ままのコメント
入手しにくそうなサプリメントが列記されていますが、このうち入手可能なものだけでも選んで与えてみるといいかもしれません。私は膵臓酵素の入った消化酵素サプリメント及び
内臓と分泌腺のサプリメントを与えています。
ゴールドスタイン先生は、「我々の全身の細胞は7年おきに全て入れ替わる。犬や猫の場合、もっと短い周期、恐らく3年ごとである。ということは、膵臓が自然に治ることがあってもおかしくないのではないだろうか?」とコメントされています。実際彼の実績では、約半数の猫がインスリン減量、三分の一は離脱に成功しているそうです。猫の糖尿病が治るのは今まで稀だと言われてきましたが、実は治療方法さえよければ、治るケースも珍しくないのかもしれません。
猫ちゃんの性格によっては難しいかもしれませんが、尿検査だけでなく血糖値測定も自宅で出来るようになると便利だし確実です。血糖値が上がり、尿に糖が出てくるまでには時間差がありますので。





Dr. ロジャー・デハーン

"The Veterinarian's Guide to Natural Remedies for Cats"より
糖尿病治療成功への鍵の一つは、完全な自然食である。実際今までジャンクなキャットフードを食べているがためにインスリンに反応しない猫を多くみてきた。ジャンクフードをやめるだけで半分は解決する。
糖尿病は膵臓機能不全によって食べ物の分解機能が弱まった状態なので、消化酵素を与えることにより、より効率的に食べ物を利用できるようになる。
My Pet's FriendFlorazymeや、Dr. GoodpetのFeline Digestive Enzymes等、良質な消化酵素を勧める。
今までの経験では、クロミウム、ビタミンE及びセレニウムの組み合わせでいい結果が出ている。クロミウムはインスリンの活性を促進する。インスリンはまずクロミウムと結合することによって、効率的にグルコースを組織へ運んでエネルギーを産生させるのである。ビタミンEとセレニウムは重要な抗酸化剤であり、高血糖によって酸化が進んで起こる組織損傷を防ぐ。
尚、硫酸バナジウムも使用可能である。このミネラルは、インスリンの作用を模倣する、若しくは体内でのインスリンの有効性を高めることにより、血糖値を下げ、インスリン必要量も下げる。クロミウムやバナジウムを使うときには、血糖値の急降下に注意すること。
用量
ビタミンE:30 IU
クロミウム(キレート):30mg
セレニウム(キレート):30mg
硫酸バナジウム:一日5mg若しくは一日おきに10mg

ままのコメント
Florazyme、私も使っています。味も猫たちに好評です。プロバイオティックも入っていて、お通じもよくなりますよ。





Dr. ジーン・ホッフェ

"The Veterinarian's Guide to Natural Remedies for Cats"より
糖尿病の猫には、よく食べて、幸せでいて欲しいもの。健康的でかつ猫が喜ぶご飯をあげましょう。糖尿病の動物が何か食べたいときは、本当に食べ物が必要なとき。私は市販のフードは、たとえ糖尿病に良いとされているものでも勧めない。高品質ドライフードは、あくまで緊急時の予備として置いておく。
糖尿病であってもなくても、猫は高蛋白、高脂肪及び低炭水化物の食事を必要とする。市販のドライフードは炭水化物を主にシリアルの形で含んでおり、猫はこういった炭水化物を必要としないだけでなく、十分に消化できない。
家で、蛋白質(肉)60%、脂肪30%の食事を作ってみることを勧める。カルシウム源としてボーンミール、及びビタミンやミネラルのサプリメントを加える。
糖尿病と診断された場合は、亜麻仁油を加えることを勧める。オメガ-3脂肪酸を含み、抗酸化作用、抗炎症作用を持ち、皮膚や毛に潤いを与える。
ガンマリノレン酸(GLA)は、糖尿病性神経症(猫の場合よく神経障害により後ろ足が不自由になる)を予防、緩和することが報告されている。イヴニングプリムローズ油はGLAを豊富に含む。
用量
亜麻仁油:小さじ1/4から1/2
イヴニングプリムローズ油:小さじ1/4

Dr. ホッフェの手作り食レシピ
肉(鶏、牛、ラム、七面鳥等のひき肉。幼描、老猫若しくは免疫疾患のある猫以外は生で。):1/2ポンド(約232g)
オプションとして、週に一度この2/3を鶏レバーに置き換えても良い。
野菜のピューレ若しくは野菜のベビーフード(玉ねぎの入っていないもの):大さじ1〜2杯
かたゆで卵:1個、みじん切り
キャノーラ油:小さじ2杯(またはキャノーラ油小さじ1杯+亜麻仁油小さじ1杯)
ボーンミール:大さじ1/2杯
タウリン:80mg(250mgカプセルの1/3)
まず、肉、油、ボーンミール、野菜を混ぜ、一食分ずつ分けて冷凍保存する。前日の朝から冷蔵庫に移して解凍する。他の材料は食べる直前に混ぜる。成猫は1日2回、生後2〜4ヶ月の幼猫は3〜4回に分けて与える。

ままのコメント
この先生は、市販の高繊維ドライフード処方食について、「太った猫用のレシピであり、繊維が消化を遅らせて血糖値を安定させるとされているが、科学的根拠は無い」と否定的な見解を述べられています。確かに、市販の糖尿病療法食は、高繊維、低脂肪、低カロリーで、太った猫がダイエットするのにはいいかもしれませんが、みぬのように痩せている場合には不向きだと思います。特に、高繊維により消化が遅くなってしまうと、必要な栄養がうまく吸収されず、痩せた猫には逆効果ですね。






Dr. シェリル・シュワルツ

"Four Paws Five Directions"より
ツボマッサージ
以下のツボをマッサージするが、猫が弱っている場合は毎日一箇所ずつツボを選ぶ、若しくは数日〜2週間おきに行う。
SP6(三陰交):体に潤いをもたらし、血を補う。後ろ足の内側の脛骨のすぐ後ろ、ふくらはぎの筋肉のすぐ下。
BL13(肺兪):肺に関連したツボで、内臓の余分な熱を取る。背骨の両側、肩甲骨の上端。細かく前後にマッサージ。
CV12(中かん):食物の消化を助け、胃、膵臓、脾臓のバランスを保つ。お腹の中央部。ただ手を当てるだけでも良い。若しくは下向きにマッサージ。
BL23(腎兪):腎臓に関連したツボで、血と体液のバランスをとる。背骨の両側、第二第三腰椎の間。円を描くように若しくは前後にマッサージ。
ST36(足の三里):気を補い、糖尿病で弱った後ろ足を強くする。後ろ足の外側、膝のすぐ下。脛骨の外側。押すか円を描くようにマッサージ。

(クリックで拡大すると、ツボの位置がわかります。)

サプリメント
ビール酵母、ナイアシン、亜鉛、マンガン、ビタミンB1、生の肝臓と膵臓の濃縮物:糖質の代謝を助ける。用量は人間用量の1/3。
酵素:特にパパイヤのエキス
ビタミンC:酸化防止、毒素の排出。下痢しない程度に。
亜麻仁油やオリーブ油などのオメガ-3脂肪酸:小さじ1/2
ビタミンA:1000から2000IU
クロロフィル:ミネラルの吸収を助け、栄養分の吸収を促進。人間用量の1/3。

ままのコメント
猫が嫌がらなければ、スキンシップがてら、お腹の中央部に手がくるようにして、背中のツボをマッサージしてあげるとよいでしょう。正確な位置が分からなくても、「この辺をマッサージしてあげたら気持ちがいいだろうな」というところをマッサージしてあげてください。脚のツボはちょっと難しいかもしれません。





Dr. ビル・ポラック

"The Veterinarian's Guide to Natural Remedies for Cats"より
高蛋白食による腎臓への影響を懸念される方へ
猫が腎障害を持っていようと、元来肉食の猫には生肉を多量に与えるべきだと思う。但し、市販のペットフードに含まれる蛋白質は質が悪く、体内で毒素となって腎臓に悪影響を与える。重要なのは蛋白質の量ではなく質である。血液検査で腎障害等好ましくない結果が出る猫の多くは、生肉を食べさせることで改善することがよくある。生肉の持つ活性が弱った内臓に送られることで、その治癒能力が高まるのである。

ままのコメント
特に高齢の猫では、腎障害と糖尿病を併発するケースが多いです。そんなとき、「腎障害には低蛋白食、糖尿病には高蛋白食、両方悪いうちの子には何をあげたらいいの?」と悩まれる飼い主さんも多いかと思います。本来猫は、小動物を生のまま食べるもの。つまり生肉が猫にとって一番自然な形なのですね。特に糖尿病等で抵抗力が弱っている猫に生肉を与えることに対して感染症を懸念される獣医さんも多いようですが、野良猫や外出自由な猫なら虫や小動物をそのまま食べているわけです。猫の場合、食物が消化管に留まる時間が短いため、食中毒を起こす前に細菌が体外に出てしまうそうです。うちの猫たちもずっと生肉を食べていますが、一度も食中毒になったことはありません。(但し必ず信頼度の高いお店で買ったお肉を使っています。)






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